器屋(うつわや)

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財布も潤ったし、気分も良い。 俺の体から出てきた器は、あのよく「器が…」と話題にでる「器」なんだろうか…。俺の器は、希少であるほど小さかったということなのか?。 「器屋」を出て、まっすぐに家へ帰る。 そうだった。今日は「器屋」の前にデートをしたんだった。 彼女に悪いことをしたな…。フォローの連絡をしておこう。 「今日はすみませんでした。映画のあとですぐに帰ってしまって…。もしよろしければ、次は食事へいきませんか?」 あれ? なんで俺が謝る? なんでまた誘う? 返信はしばらく経ってから帰ってきた。 「突然帰られたので驚きました。私がポップコーンを食べたのが悪かったのでしょうか? 気に障るようなことをして申し訳ありませんでした。でもそれなら買わなきゃよかったのにと思います」 そうか…。その通りだ。買わなきゃよかったんだな。デートだからとよかれと思ったことが自分の首を絞めたんだ。彼女のせいではない。全て俺が悪かったんだな。 「その通りですね。本当に気分を悪くさせて申し訳ありませんでした。嫌な思いをさせてしまったことを反省してます」 「いえ…。ごめんなさい。なんか私言いすぎましたね。わたしこそごめんなさい」 お? 彼女の方も謝ってきたぞ。 「いえ、謝らないでください。俺が全部悪いんですよ。謝ってくれるあなたはやさしい、思いやりのある人ですね」 「そんなことないです。また誘ってくださいね。お誘いをお待ちしてます」 え?! そんな結末になると思わなかった! いつもは大抵ダメになるんだ。なんだ? この展開は? まだ続きをさせてくれるというのか! 俺はどうなっちゃったんだ? 「器屋」であった出来事のせいか。標準的な器だと、こんなに物事がスムーズにいくものなのか!
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