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そして彼女といよいよ同棲をすることになった。
いままでの俺なら、100%無理だった。だが、今ならチャレンジできると思った。結婚の二文字がだんだんとむこうからこちらに近づいてきているのを実感していた。
俺の器はどのくらいのものになったのか。同棲に耐えうるものになったのか。
それが気になって仕方がない俺は、あの「器屋」に足を運んだ。
カランケランコランキランコロン
相変わらずの変な鈴の音。懐かしく感じる。
「どうぞいらっしゃいました」
何も変わらないあの店主がいた。
「あの、今の俺の器を確認することはできますか?」
「あぁ、できますけども…」
「確認したいんですが、お代はおいくらでしょう?」
「お代は。うーん。お客様はこの前の希少な器の方ですよね。あれは高額取引できたんで特別にサービスしときますよ」
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