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「大丈夫? なにかあった?」
「なにかあったに決まってるだろ!」
…と、言いかけてすんでのところで止めることごできた。軽く深呼吸をする。そしてこう言った。
「いや、大丈夫。少し疲れちゃったんだ」
「そう…。今日は早く休んだ方がいいね」
危なかった。危うく彼女を傷つけるところだった。
部屋に入ると、彼女のバッグが帰宅してそのままにソファに置いてあった。
これ、片づけられないか…。イライラ…。
いや、いけない。いけない。帰ってきて忙しく家事をしてくれていたんだろう…。そう思え! 俺!
寝るまでほんの4時間ほど。
そんな短い時間の間に俺は髪をかきむしりたくなるほどのイライラがつのり、抑え、我慢した。
彼女は怪訝そうな顔付きで、気を遣っているのがみえみえだった。
こんな毎日ではやっていけなくなるかもしれない…。彼女を手放したくないのに…。
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