12人が本棚に入れています
本棚に追加
席を立ってしまおうかと思った。
こんなイライラを我慢するくらいなら途中退席したい!
でもここは我慢だ。
俺は大人だ。
大人だろ? 我慢するんだ。
ボーリボーリ…
これ以上耐えられない!!
そして、俺はポップコーンの箱に蓋をするように手を。
置いてしまったんだ。
もうポップコーンには手が届かないだろ、
これで。
彼女は手を突っ込んできたが、俺の手にあたりポップコーンは諦めたようだ。だが、何を思ったか、俺の蓋している手の上から彼女の手を重ねてきたのだ。
うわぁぁぁぁぁぁ、やめてくれ!
ポップコーンを食べたベタベタな手で俺の手を触らないでくれー!
全く。
泣きたくなった。
なんだこのストレスは。
彼女もダメかー。俺の壁を超えてくることはなかったか。許せないことをしないでほしいだけなのに。俺の期待を返してほしい。
というより、
手をただ、ただ、洗いたいぃぃ。
映画が終わり、あんなに眩しく見えた彼女はただの女子になってしまった。
いや、俺なんだ。俺が許せれば「彼女」になれたんだろうに。
「ポップコーン、食べちゃダメでした?」
「うん、ダメでした」
…って言うな、俺っ!
沈黙が流れる…。
「映画楽しかったね、じゃあまた!」
俺は手を振り、逃げるように走った。。
彼女は唖然としていた。
俺のこと、あきれたんだろうな。
いろんなことを許せない俺は、とぼとぼと。
とぼとぼと。
歩いて帰った。
この性格をどうにかしないことには、俺は幸せになれない。
でもどうしたらいいんだか。
最初のコメントを投稿しよう!