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「うちは、お客様のイライラを買取りします。で、器を交換させていただきます。なかなかね、そのお客様の持つ小さな器は貴重なもんですから、需要があるんですよ」
「器の交換?」
「はい…」
またしても店主は「え? 何言っちゃってんだろ」といった風に、言った。
え?
俺の質問おかしい?
器屋を知らないのは俺だけなのか?
「じゃあ、お客様のイライラと小さな器を回収しますね」
「はい…」
いったい何が起こるのか。俺は頭の上に「?」を浮かべたまま直立不動でいた。
「あの。買取でしょっ。早く出してくださいよ。ほら」
「へ? どうやるんですか? 説明なきゃわかるわけないでしょう」
イライライライライライライライライラ
「あぁ。さらにたまっていい感じです。じゃ、そろそろ。はいー」
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