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街を一望出来るように森の奥に建つ大きな館には、心優しい領主様と奥様、お転婆で可愛らしいお嬢様が幸せに暮らしておりました。
しかしある日突然、何者かによって館全体に呪いがかけられてしまいました。
ほとんどの者がただの獣の姿と化し、森の奥へと姿を消してしまいます。
残ったのは執事の私と幼いお嬢様、執事見習いのシャトンとその妹でメイド見習いのキティ。
全員が呪いで姿を変えられてしまいました。
私は館に囚われて動けない異形に、
お嬢様は子鹿、シャトンとキティは仔猫のような獣人の姿になってしまいました。
ショックで、声を失くしたお嬢様を慰めるように今宵も音楽を奏でます。
館から出られなくても自由に動く事が出来ます。
そして幸いにも時間はたっぷり残されています。
使用人の私共が次期当主である、お嬢様をしっかりとお守りせねば。
月の精よ、今宵も黒き影から私達を守り給え。
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