第1話 stars-in-stones

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 朝食を食べ、軽くシャワーを浴び、朝の支度をする。会社はスーツじゃなくて基本的には私服(たまに私服じゃ落ち着かないとかでスーツを着てる人もいる)なので、好きな服を着ていける。白地に青の細ストライプシャツと長丈の紺カーディガン、黒のタイトスキニー。顔を洗ったら化粧水をたたいて、鏡の前で髪をいい感じに。最後に笑顔のチェックをしたら、仕事鞄を手に家を出る。このルーティーンも3年目だ。 「しゅんくん、行ってくるね」 「うん、気をつけて」  一旦お客さんが途切れたところだったようで、しゅんくんが手を振ってくれている。  仙香(せんか)駅から7時28分発の東方面行きの列車に乗る。6分ごとに列車はあるものの、この時間に乗る癖がついていた。12分乗って、二駅先の緒桜(おざくら)駅で降りる。2駅違うだけでこんなにも違うものかと思うぐらい、緒桜は都会だった。高層ビルがずらりと立ち並んでいる。対して、Water Irisのある仙香駅近辺は治安のいい住宅街という感じだ。
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