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月初めの日は必ず駅構内の東にあるstarbeans coffeeで甘いココアを買って飲み気合いを入れる、という習慣は働き始めてからできた。「ごちそうさまでした」と言ってグラスを返却したら、もう7時56分になっていた。そこから歩いて5分のところにあるビルの7階に入っているオフィスへ向かう。イベント制作会社"Etoile.Inc"で働くイベントプランナーなのだ。
「おはようございます」
「白石さん、おはよう」
彼女は浅美 若子部長。指導はスパルタ(らしい)だが皆に慕われている素晴らしい上司(と言えと言われた)(※事実)だ。
「おはよう、椿」
「おはよー、白石。これ、経理の治和海さんから。やっぱ白石モテるよなぁ」
彼は椿 煌。デスクが隣の同僚だが、彼はイベントのマネージメント業務を主に行っており、よくタッグを組んでいる。
「そんなことないだろ」
「あるよ、絶対ある。あれは脈アリだな」
そんなことを言いながらチョコレートを渡してきた。こんな風に余裕そうに振る舞っているが、実は椿は治和海さんに気があることを僕は知っている。僕は恋したことなんてないけど。
「煌」
椿 煌が顔をしかめる。彼は煌の兄、萊主任だ。イベントの中でも講演会の類を扱っている。
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