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【 プロローグ 】
暗い場所で、知らない人の肩をポンポンと軽く叩く。
「私、きれい?」
「うわっ! 脅かすんじゃねぇーっ! コノヤロー!」
『ボカッ!』
今日も殴られた。
振り向き様に、思い切り肘を顔面へとぶつけられた。
休憩室へ戻り、自分の顔を鏡で確認してみる。
すると、目の辺りに青いアザができて、少し腫れているよう。触れるとピリッと痛みが走った。
「あ、痛……」
そこへチーフの宮島さんが部屋へ入ってきて、私の顔を見て笑う。
「おっ! 花子ちゃん、その特殊メイクいいね! 今度はお岩さんでもやってみる? ははは」
振り向いた私の口元が、ピクピクと小さく震えた。
これが私の日常だ。
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