第九話
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すると、苔の神さんは優しい表情で… しかも消えそうになりながら… 言った。 いや、彼女にとっては一生のお願いだろう。 『どうか…冬樹。お願いだ。神の世界で神楽を踊って…青木春ちゃんの存在を…命を…この世界に呼び戻してくれないか?』 僕は涙を手で拭きながら、頷いた。 そしてまた、苔の神さんの顔を見ようとした。 だが、そこにはもう苔の神さんの姿はなかった。
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