第三話

1/2
前へ
/46ページ
次へ

第三話

僕は半年前に僕が迷い込んだあの"世界"が…実は夢ではなく…タイムリープだとしたら…?という仮説を、その桜舞い散る春の日に立てた。 実際、あの世界は何かおかしかった。 違和感があった。 というのも、あの世界にいた時間は夢にしては長すぎた。 1ヶ月は長すぎたのだ。 また、あの世界では、とても夢とは思えない程に五感が機能していた。 痛いという感覚…木や石に触った時の触り心地… 美味しいという味覚…あまりにも繊細で美しい桃源郷とも言うべき自然の情景…虫の鳴く音… あの一ヶ月間、その全てがあの世界から感じられていた。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加