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初めての作品は自分自身の自己紹介でも書こうと思っていたけど、
あの文章を読んで、自己紹介とかそんなことどうでもよくなったw
紫苑と出会った時のことは、よく覚えていない。
俺がスマホを持ち始めて、「ネット」という世界に来てから間もない頃だと思う。
スマホを持つ前からプリ小説に興味があって、思いついた話をメモしては、自分で考えたお話を投稿することを夢見ていた。
自分のスマホを持った時は本当に嬉しかった。
やりたかった小説の投稿もした。
でもまぁ、そんなすぐには読んでくれるひとも多くなくて。
周りの人との関わり方なんてわかんなかったから、自分の作品を投稿することしかできなかった。
だから、多分…紫苑から話しかけに来てくれたんだろう。
紫苑は初めの頃は「天音⇔紫苑」みたいな感じの名前だったから、「天音さん」と呼んでいると、「紫苑でいいですよw」なんて言ってくれて。
それがすごく嬉しかった。
俺の誕生日も祝ってくれた。
誕生日なのに気分が最悪で、「はっぴーばーすでーとぅーみー」なんてふざけたこと言ってたら「僕、MARIN☆さんより先にお祝いしたかったのにっ」って言ってくれた。
この人ともっと早く出会えてたらよかったなって思うこともあった。
リアルでは、「1番」になれなかったから。
いつも一緒にいて、一緒に行動して、一番最初に誘われて。親友に裏切られてから、そんな「誰かの1番」には なれなかったから、
ネットに、俺だけの友達が出来たことが本当に嬉しかった。
だから半ば依存するような形で、紫苑は俺の大切な存在になっていた。
重いことは自覚している。
親友に裏切られてから、自覚した。
俺は、愛されたいんだって。
大切な存在になればなるほど、俺は嫌われたくなくて。
そんな考えだから嫌われるのかもしれないけどw
でも、嫌われたら俺は文字通り「死ねる」と思う。
仲良くしているのに離れられたら、俺は必要とされなくなったんだ。と思ってしまうから。
だから、言ってしまえば紫苑と関わる時も怖くて仕方なかった。
コメントしても大丈夫かな。とか、
会話続けてめんどくさがられたかな。とか、
相方に立候補したのも迷惑だったかな。とか、
嫌われるのが怖くて、そんなことばかり考えていた。
でも紫苑は優しいから、俺がコメントしても絶対コメント返してくれて。優しくて。
それが嬉しいのに、嬉しいはずなのに…、
それは、「俺に」優しくしているんじゃなくて、「紫苑」という人が優しいから、俺に向けた優しさじゃなくて、それが「紫苑」にとって普通というか…ただ優しいだけだったらどうしようとか、最低な考えさえ俺の中にいて。
でも、ある日、紫苑は俺に専用部屋的な作品を作ってくれて、そこで話してくれた。
紫苑自身のこと。
知ってるつもりではいたけど、俺だけに向けて紫苑の想いを綴ってくれたことが本当に嬉しくて仕方なかった。
その文の始めのほうに、
「何かを隠していると本当の意味で信じ合えるようにはなれないと思ってて」
と書いてあった。
その時、俺が心配しなくてもよかったんじゃないか、と初めて思えた。
紫苑は、俺と信じ合いたいって。そう思ってくれていたんだって。
嫌われる心配ばかりしていた自分がバカみたいに思えて。
紫苑が俺と信じ合うために自分のことを綴ってくれたこと。そのことに涙が止まんなくて。
それに、俺のことを「相方」ではなく「愛方」って言ってくれて…。
紫苑は俺と信じ合いたいと思ってくれていたのに、俺はどうしてこんなに良い人のことを信じ切れてなかったんだろうと後悔した。
実は、この文を書くことも、俺は本当はすごく怖かった。
俺が紫苑に半分依存していること、
嫌われたくなくて重いこと、
知られたくなかった。
知られたら嫌われそうで。
いつでもそうだった。
1度きりの人生なんだから、自分がしたいことする。なんてかっこいいこと言ってるくせに、やっぱり嫌われたくない。好かれていたい。
だから、おびえて過ごしていて。
なのに紫苑は、俺のおかげで生きることを選んだと言ってくれて。
俺が「紫苑を嫌う、紫苑から離れるなんてことは一生ない!」って宣言したら、
紫苑も同じように宣言してくれて。
やっぱり心配しなくてもよかったのかもしれない。
紫苑は俺のことを信じてくれようとしていたから、
俺も心から信じたい。そう思った。
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