エピローグ これからも、ユメコネクト!

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「へぇ? 海斗にわかるの? 大人と乙女の恋心なんて? まだまだお子ちゃまの海斗には縁遠そうなのにぃ〜」 「バ……バカ。お前なぁ。俺だってもう中二なんだぜ。いつまでもお前と児童公園で遊んでた小学生じゃねーんだよ」 「へー、そうなんだ。私の知らない間に、海斗も成長してるんだねー」 「うるせーよ」 「あ……じゃあ、海斗にも実は好きな女の子がいたりして!」 「そんなの……、――お前には関係ないだろ」 「あれ? 否定しないんだ。海斗、否定しないんだ〜!」 「ほんと、お前、ウザいっ!」  そう言って海斗は右腕で顔を隠した。  なんだかしてやったりって感じで私は楽しい気分になってしまう。  でも、海斗に好きな女の子がいるんだ。  それは誰だろう?  そんなことを考える。  海斗が誰か別の女の子と手をつないで歩いているシーンを、なんとなく想像した。  そんな映像を思い浮かべると、胸の奥が、ギュッて締め付けられるみたいな感覚がした。  ――あれ、何だろうこの感覚。 「でも、海斗くんは、どうして自分がリリアンヌだって、はるかちゃんに隠していたの? 本当ははるかちゃんがエレナだって、気づいていたんでしょ?」  私の隣に立つ、みやこが、海斗の顔を覗き込んで、尋ねた。  ――うん、私もちょっと気になっていた。さっさと教えてくれたら、一緒に戦えたのにね。  海斗は両手を腰にあてて、溜め息を吐くと、諦めたみたいに口を開いた。 「だからさ。俺がリリアンヌだったって知ったら、――遥香、俺のこと、余計に男扱いしなくなるだろ?」 「え? なにそれ? 今更? 男扱いも何も、海斗は男じゃん? え?」 「だーかーらー、そういうことじゃなくてだなぁ……」  困ったように頭を掻く海斗に、みやこは一人得心したようにニシシと笑う。 「そういうことか〜。謎は全てとけましたよ〜」  みやこは一人満足げに、物語の中の探偵みたいに人差し指を立てた。 「え? 何? みやこ? 謎って?」 「教えなーい。きっとこれ、また新しい秘密だから。……ねっ、海斗くん!?」  嬉しそうな顔でゆらゆらとボブヘアを揺らす、みやこに、海斗は「もう、勝手にしてくれ……」と、頭を押さえた。  なんだかよくわからないけれど、今回の事件は一段落したみたいだ。  そして、私はリリアンヌと再会することが出来た。  先生が言うには、まだまだ、この学校の夢磁場(ユメジバ)は不安定らしい。  だからまた何か起きるかもしれない。  ユメコネクトして戦わないといけないかもしれない。  でも、次からは一人じゃない。私には仲間がいる。 「また次からもよろしくね――リリアンヌ」  私は改めて右手を差し出す。  海斗に。その心の中のリリアンヌに。  振り向いた海斗は、爽やかな笑みを浮かべた後に、その右手を私の手に重ねた。 「おう。よろしくな――エレナ」 「口調はやっぱり、リリアンヌとは違うのね」 「仕方ないだろ。あっちは女で、こっちは男なんだから」  それでもその握手は力強くて、やっぱりどこかリリアンヌの凛とした強さを感じさせた。  ――それから同時に、こうやって海斗と手をつなぐのって小学生以来だなって、思った。 「じゃあ、事件解決記念と、二人の再会を祝して、喫茶店にでも寄り道しますかっ!?」  先に校門を出たみやこが振り返る。 「俺は別にいいけど? 遥香が『お金がないから児童公園でよろしく!』とか言い出さない限りはな」 「さすがに打ち上げで喫茶店に行くくらいの余裕はあるわよ! よーし、行こー! いちごパフェ食べるぞ〜!」 「……太るぞ?」 「むきー! やっぱり海斗は一言多い〜!」 「はいはい。行くわよ、幼馴染みカップル〜!」 「「カップルじゃないから!」」
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