プロローグ

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ラエニスタ中央国家学院。 ラエニスタ王国の貴族たちが集う、由緒正しい男子学院である。 古くから魔力を持つ者と持たざる者が共存しているラエニスタでは、魔力を持つ者が強者とされ、魔力を持たない女児を守るために、男女で別の教育を受けるのが慣わしなのだ。 思春期の男が全寮制という名の檻に閉じ込められるのも教育としてどうかと思うが、そう思わない輩も多いのが事実。 平気で男を相手にする男すらいるのが現状だ。 むしろ、男しかいない環境で育てば、性の興味がそちらに向くのも何ら不思議ではないだろう。 別に偏見はない。 俺は違うというだけの話。 話を学院に戻そう。 普通科は各学年S・A・B・Cの4クラス。 入学の際に貴族階級と学力でクラス分けが行われるわけだが、そこに容姿も関わっているというのが専らの噂である。 まぁ、噂の範疇を超えて、もはや真実でもあるのだが。 そんな普通科の頂点に君臨するのが、普通科生徒会だ。 事あるごとに表舞台に立たされる生徒会は、目の保養のためか、はたまた何かの陰謀か。 特に容姿が整っており、親衛隊なるものが存在する。 かくいう自分自身、生徒会長という職を務めているため、容姿が整っているということを多少は自覚しているし、親衛隊の存在も把握している。 これで自覚がないなどと宣おうものなら、世の中から大クレームを浴びるだろう。 俺はちゃんと自己分析できるタイプの人間である。 さて、そんな我が学院の紹介をしたわけだが、なぜそんなことをこの場で行っているのかというと、これから新入生を前に入学式たるものが行われるからである。 学院は8年制となっている。 魔術科が短い期間では魔術を学びきれないというのが、理由らしいが、特に興味はない。 階下に並ぶ歳が2桁になったばかりのまだ幼い可愛い後輩たちを見守りながら、入学式の挨拶を考えていた。
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