第7話 決戦の文化祭

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とはいえ、アーシャの言うように、実際問題いちいち全員に番号を配るのは現実的ではないし、ジルの言うように、魔術で王様や番号をランダムに当てがった方が効率は良い。 問題は、普通科の生徒にどうやって、『不正はない』と信用してもらうか、である。 魔術科生徒会一行にそこらへんを理解してもらうのが難しいことは、ジルの反応を見れば一目瞭然。 ジルですらあの反応なのだから、他の役員なんて尚更。 普通科の生徒がどういう反応をするのかなんて、全く想像できないだろう。 「せっかくの交流なんだから、効率的な方法を使わない手はない。普通科の生徒のことは、コチラに任せてくれて構わない。クジの配付は魔術科(ソチラ)に任せる」 「承知した」 サッと出した俺の答えに、苦い顔をするアーシャだが、反論はない。 いや、彼は俺の意見に否は唱えない。 「貴方がなんとかすると言うのであれば、そうなんでしょう」 なるほど。 信頼されているというのは、素直に嬉しい。 「これは、腕が鳴るな」 「魔術科に頼るのは癪ですが」 「使えるものは、使える時に使わないと。宝の持ち腐れだろ」 「それが、今だと?」 「自らが魔術を使う必要なんてない。使を使えばいい場合もある。今はその人脈作りの良い機会だと思えばいい。そう、開き直った」 「言い方には気をつけた方がいいですよ。まぁ、いかにも、貴方らしい考え方ですけどね。貴方のような人が………」 会議中だと言うことも頭の片隅に入れながら、小声でそんな会話を繰り広げた。 アーシャが言葉を止めたすぐ後。 アスランによる生徒会企画の当日の動きの説明が終わり、主導権が司会に戻ってきた。 そのため、彼がその続きを何と言いたかったのかは分からずじまい。 まぁ、大体の予想はつくため、あまり深掘りしないでおこうと思う。 次なる話題は警備について、だ。 いくら警備をしていても、魔術を使われてしまえば、普通科の生徒会にはどうすることもできない。 そうなると、警備は必然と魔術科主導となってしまう。 とはいえ、魔術科だけに任せるのも心苦しい。 そうなれば、答えは1つしかなかろう。 「先日お話しした、ペアに関してです。案として組み合わせをこちらで入れてみました。何かあれば仰って下さい」 警備のチーフを担当する魔術科副会長が立ち上がった。
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