第7話 決戦の文化祭

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ペアは魔術科と普通科で組んでいる。 先述した通り、魔術を使われてしまっては普通科では対処できないからだ。 「はいはーーーい!異議あり〜〜〜!異議大ありぃ!!」 いち早く名乗りを挙げたのはチャラ庶務。 「………、意見は無いようですので、とりあえずこれで決定ということで。交代のタイミングに関してですが」 ジッと視線を向け、彼を視野に入れたにも関わらず完全に無視を決め込んだ副会長が話を続けた。 ちょっと可哀想でもある。 副会長の話を耳に入れながら、ギャーギャーと文句を垂れるチャラ庶務へと目を向ければ、その目と視線がぶつかった。 あ、と思った時にはすでに遅かったようで、チャラ庶務は何かを求めるようにキラキラと目を輝かせてコチラを見つめている。 まるで、同意をするのを期待する眼差し。 いや……。 一体何に異議があるのかわからない俺からしたら、助けようがないだろう。 「絶対策略だ!!副会ちょーはムッツリなんだーー!!!」 そう言って叫んだのは、もちろん本人の前ではない。 会議終了後、なぜか流れるように普通科生徒会室にやってきた彼がソファーにドサッと座りながら溜まっていたのだろう不平を垂れたのだ。 「本人に直接言えばいいだろ」 給湯室に直行し紅茶を入れたアーシャからカップを受け取り、そのまま給湯室の入り口の壁に寄りかかりながら、そう提案したのだが。 「それは無理じゃんさー!!」 何なんだ、一体。 とため息を吐けば。 「なら、諦めることですね」 自分の分とテトの分のカップを持ったアーシャが一刀両断した。 ちなみに、他のメンバーは各クラスの催し物の配置を調整するために校舎を回って規格を確認している。 「だから相談してるんじゃん!!!」 左様ですか。 っていうか、相談されてたのね。 それは気付かなかった。 てっきり、やり場のない文句を聞いてほしいだけなのかと思っていた。 「あの配置は妥当だと思いますけど」 ねぇ、と俺に同意を求めるアーシャに対して、カップに口を付けながら、眉だけで肯定を返す。 「何がそんなに不満なんです?」 アーシャの問いにチャラ庶務が口を開く前に、第三者によってその答えは掻っ攫われた。
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