第7話 決戦の文化祭

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一同、その犯人が現れた先へと視線を向ける。 もちろん、誰かなんていうのは声でわかっていたが。 チャラ庶務はグデーっとソファーに項垂れている。 「ごめいとぉ〜〜〜〜??」 校舎をまわっていたはずのアスランがチャラ庶務を覗き込み尋ねる。 どうやら類は友を呼ぶらしい。 チャラ男同士、思考が合うのだろうか。 実際。 「ちっっっっがうしーーーーっ!」 と拗ねたように返していたが、その返しだと図星のように聞こえる。 「だって、副会ちょーがかいちょーさんと組む必要がないじゃんさ!!」 口を尖らせて反論するチャラ庶務。 その言葉に反応したのは、きっと俺だけ。 それもそうか。 もちろん、反応したことは周りにはバレていない。 「会長(トップ)であり、人気もある、危険度の高いシオンに、力のある人間を当てがうのは当然です。とはいえ、会長同士が連れ立って見回りをするわけにもいかない。その他が手薄になってしまいますから。妥当な判断だと思いますけど」 冷静なアーシャの分析に対して、チャラ庶務が反論するかの如く、口を開いた。 「だからこそ、だよ〜〜〜!!副会ちょーさんに、かいちょーが付くのはわかるよ〜〜〜?でも、かいちょーさんが、副会ちょーである必要はないじゃなーーーい!だって」 そこで、『おい』と言葉を切ることはできた。 でも、それはあまりにも不自然である。 このタイミングで遮ってしまっては、何かを隠しているのは明らか。 いっそのこと……。 チラッとアーシャへと目を向けて、そう、覚悟を決めた。 のだが。 「なかなか帰ってこないと思えば。こんなところで油を売っているなんて、余裕だな」 まるで見ていたかのようなタイミングで現れた人物の登場で、チャラ庶務はその後の言葉を口から出すことなく、ゲッと息を呑んだ。 どうやら役割を仰せつかっていたらしい。 チャラ庶務は「ちぇー」と溢して逃げるように転移で姿を消した。 結局、愚痴を言いたかっただけらしい。 「世話かけた」 「いや、別に」 むしろ。 見計らったかのような完璧なタイミングは、もはや間違いなく。 真面目な男だ、と。 紅茶を飲みながら、転移した男の残像を眺めた。
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