第7話 決戦の文化祭

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例年、体育館で開催セレモニーが行われて文化祭の幕開けとなる。 今年は魔術科との合同ではあるが、歓迎会で既に全生徒を収容できることは確認済みなため、問題なく体育館で開催セレモニーが行われた。 「静粛に」 アーシャの一声は、まるで魔術でも使ったかのように会場を静まり返らせることができる。 普通科だけでなく、魔術科までもピタッと会話をやめるのだ。 凛とした澄んだ声なため、司会にちょうど良い。 「只今より、文化祭開催セレモニーを挙行いたします」 丁寧な言葉遣いも、彼なら何の違和感もなく会場に吸収されていく。 「この後の流れの説明を、魔術科生徒会、副会長より説明します」 マイクを渡された魔術科副会長が中央まででて一礼する。 魔術科の生徒はそれが常なのか、何の躊躇もなく共に頭を下げたが、普通科の生徒たちはジーッとその人物を観察していた。 見過ぎも失礼なのでは、と俺は思うが、一般生徒にそんなことは関係ない。 そんな生徒たちの反応を他所に、副会長さんは説明を始めた。 この後の動きとは以下の通りである。 1日目 ⓪ 8:00〜 開催セレモニー ① 8:30〜 準備 ② 9:00〜 学院内公開 ③13:00〜 生徒会企画 ④16:00〜 片付け 2日目 ① 8:30〜 準備 ② 9:00〜 一般公開 ③15:00〜 閉会セレモニー ④15:30〜 片付け ⑤17:30〜 後夜祭 時程を一通り説明した副会長さんが、脇に引っ込むと、生徒たちの間では『生徒会企画』と『後夜祭』というワードの話題で持ちきりだった。 「生徒会企画について、各クラスで説明されていると思いますが、改めて確認させていただきます」 改めてアーシャが口を開くと、噂話はサーーーッと引き、会場に再び静寂がやってくる。 アーシャから話を振られたのは、企画立案のアスランだった。 「今年の生徒会企画はね〜〜〜!」 そう言って、検討を重ねた企画のルールをそのままゆる〜〜〜く提示した。 盛り上がる会場内。 どんなお題がでるか、誰が選ばれるか。 ルールは知っているはずだが、改めて体育館内がそんな話でざわついた。
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