アルミナ様こぼれ話2

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アルミナ様こぼれ話2

「私の父上は!?」 「·····ここだよアルミナ」 「大丈夫かよ! ケイから連絡もらって来たんだ!」 旅の途中に私の親衛隊長から連絡があり、島京にテレポートした。 島京というのは、勇者一族が住んでいる島国だ。 そこにある城に父上がいると聞いたから、すぐさま城の中を駆け巡った。 「良かった·····死んでなくて」 「ケイ君が来てなかったら死んでたよ。まったくジュドーのやつも恩知らずなやつだ」 「あいつ、また強くなってやがった」 「あぁ、魔王に侵食されてんだろうな、ところでアルミナ、お前に懸賞金が掛けられてたぞ」 ベットに横たわるオヤジ様は近くにあった新聞を私に渡す。 「うわっ! 本当だ! ジュドーのやつ新聞社まで買収しやがったな! しかも私3億じゃん! もっと高いだろ!」 「怒るとこそこぉ?」 「あいつ、私の事好きならもっと高くしろよ! なんでサオリが5·····サオリが5億!?」 新聞を二度見して私の目が飛び出した。 「そう、サオリが5億。アルミナぁ、これはどういう事?」 「げっ!? エレイン婆ちゃん!」 「誰が婆ちゃんですか!! 様をつけなさい! 様を!」 「ちょっ! エリー! この人抑えててって言ったじゃん!」 「申し訳ありませ~ん、無理でしたぁ~」 くるくると目を回してエレインの脇に抱えられるエリー。 「なんであの、出来損ないに5億の懸賞金が掛けられてるのよ」 「そりゃ、お前らが虐めていたサオリが真の勇者って事だ。残念だったなぁ! 愛した彼の全てが彼女にあるみたいだぜ! ひゃははっ!」 「·····あらそう、だったら何故、貴方とサオリが一緒じゃないのかしら? 真の勇者ならあの技が使えるんでしょ? あの子が居ないと世界救えないじゃない」 煽ったら、煽り返されちまった。 このババア中々感情的にならんからなぁ。 「これ以上辛い思いさせられっか、私の都合で彼女を追い込みたくない」 「馬鹿じゃないの? 折角砲台を見つけたのに、あの子は足でまといでも、あの子の体は使えるんでしょ?」 「本当クズだなーフジワラ家のババアは」 「貴方に言われたくないわクズ姫」 「つーか、なんでサオリにあの魔法のこと教えなかった。あいつも同じ一族だろ」 「教えるわけないじゃない、魔力ゼロのあの子に。そもそも、あの血筋は魔力が無いに等しいのよ、それなのに教えたって意味ないじゃない」 「じゃあなんで、旅に出した! あの子が可哀想だ!」 「貴方にうちの何がわかるのよ、あの子にここに長居されても邪魔なだけ、16になっても旅にも出ないから強制的に出ていかせたわ」 ため息を着くエレイン。 「はぁ·····貴方のせいで世界が滅びるわよ? ジュドーもあいつに侵食させれるみたいだし。マコト君の魔法でボコボコにしたのはいいけど、完全に殺せてないんだから、本当に倒せるの?」 痛いとこ着いてくんなこの、ネチネチババアは! 「倒すに決まってんだろ。これでも私はあんたらと旅したサクラ姫の曾孫だぜ?」 「·····そう、なら頑張りなさい。サクラを出されちゃ何も言えないわ」 「おう! まぁ、期待して待ってろよな! エレイン!」 「だから、様を·····まぁ、いいわ。あともし、サオリを見かけることがあったら、ここに連れて来なさい。いいわね」 「気が向いたらな~」 サオリ元気かなぁ。 今頃うちの別荘で優雅に暮らしてると思うけど·····もし、旅に出てたら心配だぜ。
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