蚊取りの匂ひは古の香!?

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毎年夏の季節になると不思議な現象が俺の周りに起こる。 いや、正確に言うと俺が起こしているということにはなるが、5年も続いても尚その理由も理屈もまるで分らないでいる。 初めに気づいたのは蚊がいつもより多く飛んでいて特注の蚊取りを買って焚いた日の夜のことだ。 その時は匂いが強すぎて気絶したのかとも思ったのだがよくよく考えると蚊取り線香の匂いで気絶する商品なんていくら特注とは言え売るわけがない、気絶したのは別の要因があると思うものだが、その時はパニックになっていたせいかよく分からん解釈をしていた。 目覚めたらどこか知らないどこかの外?にいた。 さっきまで部屋、自室にいたのに・・・ 周りはうっそうと茂った森でどうやら向こう側が崖になっているようだった。 それでちょっと下を覗いてみると、びっくりした。 まさに江戸時代を思わせる建造物の数々、俺はタイムスリップしたのかと思える光景が広がっていたのだ。 まぁその時は特撮か何かと思って真相を確かめるべく下に降り町に向かって見た。 そしてようやく理解した。間違いなく、はるか昔江戸時代に俺がいるということを・・・ 町行く人々が皆、俺を見て驚いているのだ。現代人として奇怪な服装をしているとは思えない、だが江戸時代の人々からしてみれば要するに洋の服。ひときわ目立つだろう、時代によっては責め立てられるようなことにもなりかねない。 事実、1人喚き散らしてた人がいた。所謂役所のものだろうか? 俺は歴史はてんでダメで何が何でいつ何があって等全く分からないのでなんも言えないのだが、とにかくそんな時代にタイムスリップしてしまったのだ。
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