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気になるアザ
スーパーの主任として働く肇はあだ名が「マジメ」と言うくらい真面目だった。神経質で、綺麗好き。小さな事にも目が届く。スーパー内の衛生管理や従業員の服装、商品の展示の仕方、在庫管理の厳密さは店長ウケは良かったが、従業員達からは、その真面目さに嫌気の差すものも多い。
そこに3か月前から香月真理恵というパートが入社してきた。
真理恵は口数は少ないが、きちんと言われた仕事はこなすので、肇も好意的に接していた。
ある日、真理恵が前髪を切ってきた。
おでこが隠れて少し幼くなった感じが可愛いなと思ってしまう肇だったが、真理恵が商品を陳列中おでこに大きなアザが見えた。まだ赤黒く出来たばかりのアザだ。
そしてその次の日はフロントの髪も切って肩先くらいにしてきた。
他の従業員達も、流石に気がつき
「どうしたの?失恋でもした?」と、からかわれていたが
ポップを書いている真理恵の首の後ろに、肇はまたアザを見つけた。
明らかに人の指の形をしている。
こうも続くと、黙ってはいられなくなった。
肇は倉庫の隅に、真理恵を呼び出した。
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