気になるアザ

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「香月さん。髪型、似合うと思いますがもしかしておでこや首のアザを隠す為では無いですか?」 「は、はい」 「どうしたんですか?」 「転んだだけです」 「いや、これは転んで出来るアザとは思えません」 「……」 「もしかして、殴られたりしてませんか?ご主人とかじゃ無いですよね?」 真理恵は黙ったまま俯いていた。よく見ると腕にも治りかけのアザや引っ掻き傷も多い。 DVを確信してた肇は、真理恵に言った。 「こんな酷いことするなんて信じられません。僕はあなたの味方になります」 大粒の涙を流す真理恵は肇を見つめた。儚い少女ような目に、肇は我慢できず抱きしめてしまった。 その日から相談に乗ると言って、職場以外でも会うようになり、いつしか男女の仲へとなっていった。
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