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肇は兎に角、真面目だ。言った事に違わない人生を歩む事が全てであった肇にとって、真理恵と出会った事で道を外れてしまった。それにお金には困らせないと言った智恵子への約束もある。
どちらも守る事が彼の1番の願いとなった。
例え、どんな手段を選んだとしても。
誠司もまた、妻に暴力を振るってしまう点以外は、本気で愛していたし、絶対離すつもりもなかった。
どちらの男も、絶対守るべき約束には固執していたのだった。
肇は真理恵の夫と、うまく接触出来た。これでなんとか真理恵を別れさせる策を立てられる。
肇は真理恵に言った。
「真理恵さん、僕はご主人が2度と暴力を振るえなくします。その為にはご主人がどうなっても構いませんか?」
「もちろんです。私はもう夫がどうなっても構いません」
「わかりました。たとえどこかで死に絶えてもですか?」
「もちろんです。いや、死んで欲しいくらいです」
「わかりました。僕に任せてください」
肇は微笑んで、真理恵を抱きしめた。
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