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計画は成功
早速山道を登り始めた。
「香川さんはご結婚されてた何年経ちますか?」
「うちは3年ですね。田原さんのところは?」
「うちは4年です」
「おふたり仲が良いですね。奥さんが車出してくださったりして、お優しい」
「ええ。僕たちは心から愛し合っているんです」
「ご馳走様です」
あははは。二人は笑い合いながら足を運ぶ。
だいぶ登って来て景色も良い絶壁にたどり着いた二人。
「田原さん、ここは絶景でしょ?」
「ああ、本当ですね。香川さんは何度か来てますよね?」
「ええ。今日はまた、天気も良くて本当にいい景色です」
肇は一呼吸してから言った。
「でも、ここは自殺の名所と聞きました。確かにこの高さから落ちたらひとたまりもありませんね」
「ええ、そうですね。ですから僕はここに田原さんが行きたい言われて
すごく嬉しかったんです」
ですから?
誠司の言葉に、肇は違和感を覚えた。
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