個性豊かな探偵部員たち

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 今更だが、俺達の所属する部は“探偵部”だ。  部の内容はその名の通り、依頼されたことを調査し、依頼人に結果を伝えるという、探偵のようなことをするものだ。  だが、この部を胡散臭く思われていることも多く、依頼も少ない(無くした物を探してほしい、という依頼は何件か来たことがある)  それでも依頼されればちゃんとこなし、解決もしている。でも知られていないのは、依頼した側があまり周りに言わないからだろう。もう一度言うが胡散臭く思われているからだ。  そこで花邑先輩は考えた結果、依頼を増やすためにはビジネスパートナーが必要という結論に至ったらしい。  だが俺達は会社員ではない。至って普通の高校生だ。 「ビジネスパートナーと堅苦しく言ったが、簡単に言えば、協力者がほしいということだ」 「……俺達以外の人で、探偵部を宣伝する協力者がほしいということですか?」 「そうだ!長谷くん、よく分かってくれた!」 「なるほど。そういうことね」  穂村先輩と朝陽は俺の説明で理解したらしい。俺は時々、花邑先輩の翻訳者という立場を担っている。 「でも、協力者なんてどうやって探すんですか?みんな嫌がりますよ?」  はっきり言う朝陽。でもそのとおりだろう。 「それは、俺も分かってる」  ……分かってるんだ。  だから、と花邑先輩が続ける。 「次に来た依頼人に、その役割をしてもらうというのはどうだ?ここに依頼に来るということは、少しは探偵部を信頼しているわけだからな」  次に来る依頼人さん。お気をつけください。
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