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お金をもらって書くということ
「プロとアマチュアの違いは?」なんて問いに、「仕事に金銭が発生するかどうか」、もっと踏み込んで「食っていけるだけ稼ぐ腕があるか」といった意見を見かけたことがあるのですが、文章についても同じなら、私は胸張ってプロです、と答えます。
書くものは小説ではなかったですが、昔、3年くらいコンテンツライターをしていました。
会社員で。と言ったら、がっかりしますか?
「素人でもなれるんじゃないの?」と。
他社のことはわかりませんが、私が経験したライターの正社員採用は必ず国語のテストと作文(その場で出されたお題で指定時間内に書く)がありました。
最低でもそのラインはクリアしたことと、実務経歴3年あれば、プロって言ってもいい…ですよね?(小説のプロとは言ってない)
ちなみに今でも本業の端っこのほうでたまに書いています。
名前は出していません。
どこかでお会いしてるかも?しれませんね。
じゃ、プロって何が違うの?って話ですが。
個人的には、「他人の目でチェックされる」これに尽きると思います。
無意識のミス、法務上問題ある表現、説明不足etc. …。
不特定多数に公開される前に、自分では気づけなかった部分に指摘が入ります。もちろん、自分で何度もチェックしたうえで。
トピックで2回実施した「文章チェック」は、校正・校閲+αくらいの内容でした。
感想をもらったことはあっても他人のチェックは受けたことがない方には少し面食らう内容だったかもしれませんが、世の中に出回っている文章はほとんど、あの程度のチェックはクリアしています。
校正さんや、別のライターからのチェックバックはすぐ直せるものが多く、次から意識して指摘を減らしていくのは難しくないです。
困るのは「チェックする人」が国語がお得意でない場合(依頼主に多い)。
「ここなんか変」という漠然とした指摘や、「長いからここ消して(それ削ると意味が通らなくなる…)」、「これに直して(おかしな日本語…)」というケース、多々あります。
そのまま直したらヒドイ文章が世に出ることになるので、直しの意図を汲みとりつつ、正しい日本語でより良い形の修正案を提示しなければなりません。「指示どおりにしない理由」を説明する必要もあります。しかも、角が立たないように気をつけながら。
この作業がかなり言語化と文章力を鍛えます。
※相手のタイプによってはややこしくなるだけなので、はいはいっ!と対応することもあります。
とはいえ、これは広く一般的な「文章」においてのお話。
小説では、文章が正しい・美しいことがそのままイコール作品の良さや「読まれやすさ」にはつながりません。
"崩した"言い方、ぶった斬って並べ替えた語順がグッとくることもある。
特に、自分が好きで書いているだけのうちは、どんなふうに書いたっていい。手癖が個性として定着し、支持されることもあるかも。
ただ、小説を書いて投稿している方の多くは、ゆくゆくは担当編集がついて書籍化を、とお考えでしょう。
私自身は書籍化経験がないので、「その世界」の実際はわかりませんが、フォローしている商業作家さんがたまに愚痴っているところをみると、小説でも、プロは他人のチェックと戦っている、戦った結果収まるところに収まったものが世に出ているのが窺えます。
(設定やストーリー展開に踏み込んだダメ出しだと思いますが。校正・校閲は別であるでしょう)
プロになれば、他人の目を通さず作品を世に出すことはありません。文章チェックには慣れておいて損はないです。
やるよ!と言ってくれる人がいるならお願いしてみてはいかがでしょうか。
私もノーチェックで文章を公開するのはドキドキです。人には赤入れても自分では気づけないところ、いっぱいあると思います。お気づきの際にはぜひ誤字報告いただけると嬉しいです。
受ける際は、作品に対して自分も客観的になって、指摘を受け止めてください。納得がいかなくても否定してはいけません。なにかしら、意図が伝わらなかったから弾かれたはずなので。
褒められても、解釈のされ方が意図と違っていたらモヤモヤしたりするものです。どうしたって最終は読み手それぞれの感じ方に委ねられるので、指摘に過剰反応してもしょうがないです。
それにね、直すかどうかは、趣味の創作では作者さんに委ねられるべき、と私は考えます。
指摘した側は何の責任も負えませんから。
壁打ちの壁だと思って、戻ってきた球をしっかり受け止めたあとは、どう返すかじっくり考えてご自身のプラスにできれば、それが一番ではないでしょうか。
ちなみに。
小中学生の方も読んでくださってるかもなので書いておきますが、小中学生のうちは楽しく書くことが何よりも大事で、短くても完結まで書き切ることがその次くらいに大事なので、他人の目を気にしたり上手くなることばかり考えたりしないほうがいいです。
今10代のみなさんが大人になる頃には、上手い文章の定義も変わっているかもしれないし、これから新しい日本語表現を確立していくかもしれないので、現在の、紙で育った世代が大半の大人の常識に縛られないで、既成概念ブチ破ってやる!なんて気概で書いてみてほしいです。
さて。
今はそれなりに物申せている(と思ってる)ワタクシ。いつまで通用するのでしょうね?
楽しみでもあり、まったく流行りをキャッチアップできてない焦りもあり。
こんな感じで不定期更新予定です。みなさまの創作ライフにわずかでも参考になればと祈りつつ、第一回を終わります!
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