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下校途中の俺は、橋の真ん中に自転車を止め、縁から身を乗り出して川を覗き込んだ。 意識を流れに集中するとまるで、自分が流されているような錯覚に陥る。 自分は立ち止まって川を覗いているだけなのに...。 大きな船の最後尾から海原を覗き込んでいるような、そんな感じ。 なんかこれ、考え方によっては人生みたいじゃないか?高校生ながらにそう思った。 自分が動いているのか はたまた周りが動いているのか。 そのどちらであろうと結局は動いているのだ。 若い頃は早く大人になりたいと思うのに 歳を取るといつまでも若く居たかったりする。 生まれてから死ぬまで自分が立ち止まろうと、時間は止まってはくれないのだ。 自分が前に進もうが、後ろを振り返ろうが、立ち止まろうが結局は流されているのだ。 後で○○しよう。 今、○○しよう。 自分はどっちだ? 時間は勝手に流れてしまう。 今より早いタイミングは無い。 今を大切に生きよう。 川を覗き込んで色々考えていた俺は、自転車に跨り進み出す。 水の流れてを眺めていたら、オシッコしたくなってきたのだ。 急いで家に帰り、トイレに駆け込み用を足す。そして水を流してまたふと思う。 やはり自分は流されているのだと…。 船の最後尾に立つ自分を思い浮かべ俺は、後悔という名の航海はしたくない。 そう考えさせられたある日の午後だった。   よし、後で宿題やろうっと!                  
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