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ー 凛太 side ー
震える手が、自分の左耳に触れた。
温かい体温が、心臓をうるさくさせた。
俺のために、必死で勇気を出してくれた鈴音。
可愛かった。
鈴音は昔から、一度引き受けたことを断念はしない。
その後も、文句を良いながらも心配してくれていた。
お礼と謝罪の意味を込めてアイスを奢ったら、鈴音の表情が一瞬で輝き出して、腹を抱えて笑った。
他の人が聞いたら、『そんなこと』の程度だけど、俺には何よりも幸せだ。
だって、今この瞬間だけは、鈴音が俺だけのものになっているみたいだったから。
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