2-1 目の保養にしてる筋肉男子

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2-1 目の保養にしてる筋肉男子

オレの仕事は、 総勢50名の派遣スタッフ20名の管理。 主に主婦や派遣を渡り歩く女性、 中年以上の男性が占める。 たまに学生もいるが長続きしないし、 平気で無駄欠勤するし、 確かに男子学生だと目の保養にもなるが、 仕事となれば話は別だ。 だだ直接管理していない隣のブースには、 いつも目の保養にしてる奴がいる。 深い関わりはないが挨拶したり、 ロッカーで一緒になる事もあるので名前は知っている。 石川正樹29歳。 オレより20センチ近く身長差があり、 色黒、髪をいつも刈り上げ、 タイト目のTシャツ、 ジャージやスウェット姿の見るからにスポーツマンだ。 肩から胸が大きく張り、 腹部は一切の無駄肉がなく、 ケツはデカく上向き、 太腿から足首にかけてはキュッと締まっている。 タイト目を履いている割に、 股間の膨らみはあまり目立たないが、 とにかくそそられる身体だ。 基本バニラ派だから、 掘られるのは絶対無理。 どちらかと言えば攻めるのが好きだが、 ガタイのいい奴には、 Sぽく攻められたい願望もある。 あまり経験はないんだけど、 オラオラ的な感じで。 奴の身体を眺めながら、 そんな想像だけはいつもしていた。 オレはどうにかあの筋肉に触れたいと思い、 ロッカーで一緒になったある日、 声を掛けた。 「随分鍛えてんな!ジムか?」 「実は、俺選手なんすよ」 「マジ?何の?」 「パワーリフティングです」 「これか?」 オレはよくわからず、 ウエイトリフティングのポーズをした。 「実は違うんすよ。こんなポーズしたりするやつです」 色々説明してくれる素直で優しく子だが、 オレはそんな説明よりムキムキの腕や胸筋、 間近に見る少し膨らんだ股間しか興味がない。 「そうなんだ〜にしてもすごい筋肉だな」 そう言って、 肩の筋肉を触ってみた。 力こぶを作るポーズを自慢げにして、 力が入った筋肉は皮下脂肪がなく、 ガッチガチでドキドキした。 あまりしつこくなると色々ややこしくなると思い、 「胸筋や腹筋もすごいんだろうな!今度見せてくれよ!」 「キレキレにしたやつ見せますね!」 自慢げにどこか不敵な笑みをオレに返しながらその場は終わった。 オレも実は少し鍛えている。 とはいえジム通いするとかではなく家トレ。 ダイエットを兼ねて食事制限したり、 ストレッチや軽く筋トレしたり。 ガッチリというよりはまだムッチリだが、 だらしない体付きではない。 それもやっぱり男ウケするため。 太め体型が好きってやつもいるけど、 特定のタイプがないオレみたいなのは、 それなりのガタイをしてないと基本相手にされにくい。 まして35歳でこっちではおじさん扱いされる年齢。 好みの奴と一戦交えようとしたら、 それなりに気を使わないといけなくなってきたからね。 正樹を見るたび、 オレは正樹の裸とセックスを想像した。 抱きたいというよりは抱かれたい。 あの筋肉に顔を埋め、 甘えたい。 そして、 力まかせにエロい体勢にされたり、 されるがまま攻められたいという、 奥底に潜むもう一つのオレの顔がのぞかせる。 でも正樹からはそんなオレの願望を叶えてくれそうな様子は微塵も感じない。 タイプの女の話など普通にするし、 あとは基本筋肉やトレーニング話。 オレは策を練ってみたが、 ノンケ相手にそんな都合の良いように進むわけもない。 そこでひとまずスキンシップをたくさん取ってみることにした。 会うたびにトレーニングの話を聞いたり、 食事制限の話、大会の話、 そして筋肉を触らせてもらい褒める。 そんなやりとりが続いて2か月後。 ロッカーでの出来事。 たまたまその日の帰りは2人っきり。 「今日もジム行くのか?」 「今日はクールダウンの日なんで行かないんすよ」 「だいぶ胸板も厚くなってきたな」 「三井さん、わかります?見てますね〜」 「まぁオレも一応体は気にしてるからな」 「三井さんもいい体してますよー、太腿とかケツとかムチムチしてて!」 「おいおい、ディスってる?」 「違いますよー、アスリートじゃないんだし適度に肉付きあった方がやっぱいいすよ」 「そうかあ?」 以外にオレの身体をよく見てる事が少し違和感だった。 正樹のロッカーは1番上、 オレのロッカーはその左隣の下の方。 自然とオレはしゃがみ、 隣の正樹を見上げるような体勢になる。 帰る準備をしてると目線の高さには、 太腿がある。 「相変わらず太腿もすごいな」 目の前にある太腿、 いや股間に目をやりながら言ってみた。 「触ってもいいですよ」 仁王立ちしてる正樹の太腿を両手て挟むように触ってみた。 脂肪がほとんどない。 触りながら、 わざとらしく「すげぇな」を連発し、 徐々に上に進み、 オレの手が股間に触れるか触れないかのとこまできた時、  膨らみがいつもより大きい事に気付いた。 自然と上目遣いになってるオレは正樹を見上げ、 「ここも鍛えてるの?笑」 「ちょっと反応しちゃいました、マッサージされてるみたいだったから…」 「若いんだな〜」 冗談ぽくノリでツンツンと突いてやった。 すると、 大きくビクンと反応した。 再び正樹を上目遣いで見上げるとニヤニヤしてる。 オレは合図だと思い、 太腿に抱きついてスウェット越しの股間に顔を埋め、 深呼吸した。 たまらない男特有の匂いがする。 「いい匂いするでしょ?」 正樹はどこか上から目線のような、 自信に満ちた口ぶりをする。 「少し匂うな」 オレはふざけてると思われるようにそう言うと、 「毎日洗ってるし、ズル剥けだからあんまり臭いはずないけどなー」 というと、 おもむろに濃いグレーのスウェットを下にさげた。 目の前にあまり黒ずみのないズル剥けの半勃ちがぶら下がってる。 オレは言葉も出せずにいると、 「直に嗅いでみてくださいよ」 抵抗なんてする必要なかった。 無言で腰に手をやり、 顔を再び埋めた。 「どうすか?」 「ヤバい匂いだよ」 「欲しいんですよね?三井さん」 「うん」 「でも今日はここまでです」 「えっ?」 「確かめただけです」 「…」 正樹はスウェットを再び上げながら言った。 「次はお楽しみです」
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