第二章

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「すみません。今日で最後だと思ったら、どうしてもガマンできなくて」  視界がぼやける。体中が熱い。成田さんに文句を言いたいのに、息があがってうまく声が出せない。 「変なドラッグとかじゃありませんから、安心してください」  見上げると、成田さんが真っ赤な顔をして涙を浮かべていた。ふるえる手で、ゆっくりと服を脱いでいく。  頭の中は冷静なのに、あらわになった成田さんの白い肌に、かってに体が反応していた。  …これ、まずいって。  なんとか起き上がると、部屋の出口をめざしてよろよろと足を動かした。 「待ってください!」  うしろから勢いよく抱きつかれる。 「は、っなせ…」  下半身に硬いものが当たった。理性がじわじわと消えていく。両手がまわされ、そのままファスナーを下ろされる。するりと手がすべり込んできて、ゆるく()ち上がっていたものをにぎり込まれた。 「やめっ…!」 「お願いです入江さん。最後にもう一度だけ」  (かべ)に手をつき、俺は成田さんの腕をどかそうと必死だった。成田さんはかまわず手を上下に動かしつづけ、俺はとうとう動けなくなり、そのまま床にヒザをついた。 「僕がぜんぶやります。入江さんは何もしなくていいです」  ゴロリと横だおしにされると、()れて生温かいものが押し当てられる。 「はっ…ぁあ、や、めっ!」  下を向くと、成田さんが顔を近づけ唾液(だえき)をたらしていた。大きくふくれ上がったものにぽたぽたと流れ、そして、口ですっぽりと(くわ)えこんだ。俺はたまらず絶叫する。 「やめろって!」  成田さんが顔を上下にゆらす。舌が裏スジにこすれるたびに、俺は意識がとびそうになった。もう自分では止めようもないくらいに欲が暴走しそうだった。 …くそっ!やってくれたな!  室内には俺の(あえ)ぎ声と、じゅ、じゅ、と湿(しめ)った音だけがひびき続け、残った理性を(けず)り取っていく。  成田さんはゆっくりと上体を起こすと、完全に()ち上がったそれを見て恍惚(こうこつ)の表情をうかべた。そしてもどかしそうに自分の下着をズリ下げ、俺の上にまたがる。 「ああ…入江さん。僕もう死にそうです」 「ざっ…けんなっ」  いつの間に準備をしたのか、成田さんが腰を落とすと、ずず、と抵抗なく挿入(はい)っていった。  全体がかたく締めつけられ、思わず悲鳴のような声をあげてしまう。成田さんは肌が真っ赤に染まっていた。両肩で息をしていて、ひどく苦しげだった。 「ごめ、なさ…動けな、くて」  そのまま手で自身のモノを(しご)きはじめると、中がどんどん締まっていき、俺は生殺しの状態で待てをされた犬みたいだった。 「は…ははっ!うれしい。入江さ、んも、感じてくれているんですね」  熱のこもった目で見下ろしながら、成田さんがゆっくりと舌なめずりをする。  そこで、俺に限界がきた。
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