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成田さんの腰を両手でつかむと、そのまま高く突き上げた。先端が奥を押し上げる。ぐぐぐ、と俺の形に引き伸ばされる内側。室内に、甲高い啼き声がひびいた。
享楽に堕ちた叫びに、嗜虐心が煽られる。
腰を浮かせるように何度も突き上げると、成田さんがのけぞるようにバランスをくずした。
「待っ、入江さ…」
汗だくの肌と肌が音をたててぶつかり合う。目の前では、細くそそり勃ったものが動きにあわせて揺れていた。やがて、その先端から白くにごった液体が吹きだす。
「んぁあっ！」
体が熱くてしかたがないのに、もっと、もっとと本能が叫ぶ。腹や腕に白濁が飛び散るのもかまわず、俺は腰を動かしつづけた。
なにもかもがどうでもよくて、ひたすらにこの快楽が心地いい。俺の上に倒れこむ成田さん。そのまま抱きかかえ、ごろりと転がり床に押し倒した。
両手をそれぞれ体の横に固定して、奥をえぐるように動きつづける。
「せ、なかっ、痛っ…あ、で」
「聞こえね…っ、だけど」
呼吸をしているのに胸が苦しい。酸素がぜんぜん足りない。アゴから汗が滴り落ちていく。床がすべってイライラした。
「ふ、ぁ」
先ほど白濁を放った場所から、だらだらと透明な液体があふれ、成田さんの腹の上に広がっていく。
成田さんは体を痙攣させ、なにかを呻いていた。開きっぱなしの口の端からは唾液がつう、とつたう。
俺は成田さんの腹を上から押さえつけ、とろけきった粘膜に刺激を与える。もうだめだ、と思った瞬間、感電したような衝撃を感じながら成田さんの中にすべてを吐き出した。
「ん、入江さ…、好きです。ずっ、ずっと…」
しばらく体が動かず、その間も断続的に吐精しつづける。まるでその部分だけが自分とは別の生き物みたいだった。
ようやく熱が落ち着くと、ゆっくりと繋がりを解いた。少しずつ余裕が戻ってくるのと同時に、吐き気のするような嫌悪感がじわじわと体の底からわき上がってくる。
真下には、ぐったりと脱力しきっている成田さん。その瞳は昏い熱をおびていた。あふれた涙が、瞳の端からこぼれていた。
「信じられない。こんなに求めてもらえて…こんなに幸せを感じたのははじめてでした」
「…てめえ、あとで覚えてろよ」
「はい。一生忘れません」
汗で冷えた体は、まるで氷を身にまとっているかのようだった。薬の副作用なのか、頭がわれるように痛い。
俺は重い体を引きずってなんとかバスルームへと向かう。棚の上でたたまれていたタオルを手に取ると、どろどろになった成田さんの体の上にそっとかけた。
「もう二度と俺に顔を見せんな。明日朝イチでさっさと消えろ」
成田さんは無表情で俺を見上げている。俺は舌打ちをして、そのまま部屋を後にした。
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