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動画をタップしてすぐに、血液が一気に逆流し、あばれまわるような衝撃がおそう。
そこには、ゲーミングチェアにしばりつけられた俺がいた。両足をそれぞれ左右のアームレストにかけて開脚し、大きく前を露わにしている。
まるで、どこかの下品なグラビアのようだった。
ワイシャツはボタンがすべてはだけ、下半身はなにも身につけていない。股間のその部分は重力に従うように下にたれさがっていて、イスの座面を越え、だらりと頭がのびていた。
俺を撮っている男は片手をのばし、そのみっともなく晒されたモノをすくい上げる。緩慢で、恭しくもあるような手の動き。
その下には、隠れるように小さくすぼまった穴がみえた。カメラがぶれる。まるでひそかに笑ったような、軽い吐息が聞こえた。
俺は唇をかみしめる。口に血の味が広がった。
すると、
『おい何してる』
画面の奥から鋭い声が聞こえ、カメラがその声の主に向いた。そこには、ローションの容器となにか布のようなものを手にした倉木が立っていた。
…何!?俺を撮っているのは倉木じゃないのか?
表情は険しく、こちら側をキツくにらんでいる。
『勝手なことしないで。兄さんに指一本ふれるなよ』
ふたたび画面がゆれた。そのまま倉木が近よってきて、カメラの男をつきとばすように押しやる。カメラの男は2、3歩さがり、場所を倉木にゆずった。
倉木は俺の前でひざ立ちになると、俺の股間に顔をうずめる。すぐにカメラがズームになった。
倉木は呼吸を乱しながら、形のととのった鼻をしきりに押しつけ、苦しげにうめいた。
『ああっ…にいさ』
柔くたれた二つの袋を下からそっと持ち上げ、誓いのキスでもするかように唇を押し当てる。倉木の額は汗ばんでいて、肩で大きく息をしていた。
倉木はそれを手に持ったまま、舌を押し付けるようにゆっくりと舐めた。画面の中の俺は眉根をよせ、びくりと体をふるわせる。
もたげた頭が、少しずつ身を起こしていった。
熱の宿った視線を俺に張りつかせながら、倉木はなおも舐めつづける。
途中、唾液がしたたり、倉木の手から腕へとつたって落ちた。倉木は息を荒くしながら俺の腰を両手でおさえると、そのまま玉を口にふくみしゃぶりつく。
むさぼるように顔を動かしながら、竿をにぎって上下に動かした。画面の中の俺がわずかにのけぞる。
開かれた両足の先がピンとのび、俺は苦しげな顔で息を乱しはじめた。倉木にしごかれながら、そこが硬く勃ち上がっていくにつれ、後ろの穴が悶えるようにヒクつきだす。
その瞬間、倉木の顔から欲望以外のすべての感情が消えた。
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