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13話 向き合いたい
あれから葵と向き合って話をしたものの、葵から聞けたのはカフェのバイト以外に、たまに日雇いのバイトをしてるという事くらいで、詳しい事は教えては貰えなかった。
そして葵は今まで以上に俺に気を使い、俺に触れる事をしなくなってしまった。
前の人もそうだった…
なるべく自分に触れないように、そうやって気を使ってるうちに辛くなって壊れていくんだ。
それが嫌で俺から何度も抱きしめたし、何度もキスもしたし、それ以上の事もしたけど結局最後まではいけなかった。
でも葵は前の人とは違う…葵なら大丈夫、なんてそんなの俺の勝手な願望で幻想でしかない…
このままじゃ葵は俺の事を必要としてくれなくなるかもしれない。
だから俺はこんな状況を打破したくて無理やりを葵を抱いたんだ…
「んぁっ…んっ…紫雨さっ…」
「はぁっ、はぁっ、…っく、葵ぃっ…」
「やだっ、んぅっ…やめ、てっ…」
「大丈夫っ、だからっ…」
「ふ…っ、んっ、けどっ、紫雨さんがっ…」
全身をナイフで刺されてるかのような痛みが襲う。
でもここで俺が止めてしまったら葵を傷つけるだけだ。
大丈夫って事を伝えなきゃいけないのに体は震え、額からは大量の汗が流れ落ち意識を保つのに精一杯だ…
「んぁっ、紫雨さんっ!…もうやめよっ…」
「やだっ、はぁっ、くっ…離したくないっ」
ほとんど力の入ってない俺なんか突き飛ばしてしまえばいいものを、葵は触る事さえ躊躇してされるがまただただ泣くだけ…
本当に優しいんだな…葵。
これが正解なのか間違ってるのか…
そんなの全然分らないけど、ここまで来たらもう意地でも離さない。
律動を早めながら快感を促し絶頂へと導くべく、葵を力一杯抱きしめ最奥突いた。
「うぁっ…!はぁっ、紫雨さっ…あっ、も、イクッ…イクからッ!」
「はぁっ…あっ、イクッ…一緒にイこっ!」
ビクビクと葵の体が震えたのを痛みと共に感じると、俺も膜の中に欲を吐き出しはしたが、もう既に限界で痛いを通り越してそのまま意識を飛ばしてしまった…
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