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女癖の悪い父
晴美の父親は近所の高校でバレー部のコーチをしていた。母校であり、ボランティアでのコーチだ。
高校のすぐ近くに住んでいたので、毎日のように指導に通っていた。
晴美の父には良くないうわさがたっていた。
『教えているバレー部の高林という生徒に手を付けて遊んでいる。』
狭い田舎の町だ。そんな噂はすぐに広かる。その高校に通っているのも大半が町内の子供達だ。
相手の娘さんの親からも、家に電話がかかってきた。
「いったいどういうことなのか、うちの娘の今後の事を考えてくれているのか。傷物にされたらもうこんな田舎ではまともな結婚もできない。きちんと話し合いたい。」
さすがにそこまで言われたら、母も知らないふりはできなかった。
もちろん父が教え子に手を付けていたのは知っていたのだ。
父とも話し合い、高林さんの家のお父さんと、娘さんが家に来ることになった。
父は普段から試合だ、碁だ、と家を空けてばかりいたので、小学校低学年の私が寝た後に帰ってくるので、あまり記憶にない。家にいることが少ないので、怒られた記憶もない。
この騒ぎの時も父が言い訳をするとか、何か喋っていたという記憶はなかった。
話し合いの日がやってきた。なぜか夕食の時間に話し合うことに母が決めたらしい。
晴美と姉の雪美は家にいて話を聞くのもまずいからと、なぜかいつも遊びに行っている県営住宅に住む祖母の所ではなく、高林さんの家に行っているように言われた。
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