鵜飼泰時からの挑戦状

ようこそ

やあ!こんばんは!・・・もしかしてこんにちは、かな？

ここに来てくれてありがとう、名探偵と言われている君を待っていたよ。
さすがエブリスタ探偵社だ、優秀な人材を派遣してくれた様だ。

私の名は鵜飼泰時(うかいやすとき)43歳。

職業テレビマン、年収850万円。4200万円ローン35年の新築一軒家を所有し、美しい妻と可愛い娘2人がいる。

ん？なんだその顔は？ひがんでいるのか？

おいおい、やめてくれよ。確かに私は控えめに言っても人生勝ち組だ、しかし君はここに来た以上、私の依頼を解決しなければならない。

聞いてくれ、順風満帆で無敵で勝ち組な人生を送っている私だが、家の中でミステリーな事が起こっている事に悩まされている。

それを君に解決して欲しい。

あれは先日、私は仕事が早く終わり帰宅した時の事だ。
時刻はまだ午後3時頃だった、長女はまだ学校だったし、次女は友達の家に行くと書置きが残っていた。妻は買い物に出かけていたと言っていた。

帰宅した私はすぐに家の中の違和感に気づく。

キッチンにコップが２つ出ていた。妻と次女が使用したと思っていたが、どちらのコップからもビールの香りが残っていた。

私は不思議に思いながらも、せっかく早く仕事が終わったので昼寝でもしようかと寝室に向かった。
そしたらだよ!なんと、私と妻が使用しているダブルベッドのシーツがしわくちゃだったんだよ!!

まるでこのベッドの上で乱闘でもあったかの様に!
さらにだ、シーツはびしょびしょに濡れていた、水ではない。
なにやら異臭がしたが何の匂いかは分からなかった。
ただ、少し汗臭かった様な・・・しかし汗にしては量が多すぎる。

さらに寝室のゴミ箱には避妊具の空箱が捨ててあった、私は妻とは2回しか性交をした事が無いし、その2回は9年前と6年前、つまり娘が生まれる1年前にそれぞれ1回ずつしただけだ。
なのにそんな物が有るなんて不思議だろう？

何？それより夫婦なのに2回しか性交した事がないのがミステリーだと？
失礼な!だから負け組の発想には付き合いきれん!
妻は敬虔なクリスチャンなのだ、子作り以外の性交は許されんのだ。

この家をざっと見渡したけど聖書もロザリオも無いだと？
確かに・・・いや、妻は聖書を使用しないクリスチャンなのだ、多分。

とにかくだ、私が家の中の異変に戸惑っていると、妻が買い物から戻って来た。

しかし、買い物と言っていたのに妻は手ぶらだったし、夏とは言えやたら薄着でTシャツは表裏前後逆さまに着用していたし、シャツの上にブラジャーをしていたんだよ!

暑いとは言え、発汗多量だし息は切らしているし、顔は火照っていた。
私は買い物では無くジョギングに行っていたと踏んでいるけどね。

まあ、説明はこんなところだ。

さあ、私の家で起こるこのミステリーを解決してくれたまえ!

え？もう謎は全て解けた？真実はいつも一つだと？

さすが名探偵!さあ聞かせてくれ・・・ふむふむ・・・何ぃ⁉

謎の答えは妻の浮気だとぉぉぉぉぉ⁉

・・・・・・・・・ふっ、話にならん。帰ってくれ、エブリスタ探偵社の質も落ちた様だ。こんなハズレをよこすとは・・・全く期待外れだよ!

ああ、どこかにこの謎を解いてくれる者はいないのか。