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「愁ー!! 起きろー!」
「るせーよ。言われなくても起きてっから」
勢いよく愁の部屋のドアを開けると、そこにはもう制服を着た愁が立っていた。
「あれ? 珍しいね。もう起きてたんだ」
「まあな」
「あ、新学期だからか! 楽しみだったんだね」
「はあ? ガキかよ。そんなわけねーだろ」
今日から私たちは高校二年生。
「ていうかさ、楓、おまえ彼氏いんだろ? もう俺の部屋来んなよ」
愁はそう言うと、私の横を通り過ぎて部屋を出る。
私もその後に続いた。
「いいじゃん。幼なじみなんだから」
愁はそういう私を一瞥すると、小さく息を吐きながら「勝手にしろ」と言って、またスタスタと歩いていった。
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