揺れる君へのキモチ

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 「おはよう、コウ」  「おーっす、サヤ」     ボクの朝はこうして始まる。  春から中学生になったボクとサヤ。幼稚園の時からずっと一緒だった。入学 式の今日はクラス替えがある。今までもなぜかクラスがずっと一緒だった。 正直どうでもいい。一緒だろうが別だろうが、特に問題はない。きっとサヤも 同じだろう。  「よおっ、コウ、サヤちゃん」 声を掛けてきたのは、親友のというより、悪友のショウだ。親同士も仲良しだ から、よくお互いの家に泊まったりもする。ショウとは、勉強もスポーツも競 い合ういいライバルでもある。  3人で校門をくぐり玄関へと行くと、人だかりが出来ていた。クラス分けの 紙が貼られているのだ。  「どうかショウと同じクラスになりますように。」 心の中で念じる。  「コウと同じクラスだといいなあ」 そうショウはつぶやき、とりあえず人をかき分け紙の前まできてみる。  「やったー!コウ、同じクラスだぜ」 ボクは心の中でホッとした。  
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