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おいには弟がおる。
年が随分と離れてしまってから授かった弟で、母上の腹の中にいる頃から、おいはわっぜ楽しみにしちょった。
誕生してからは、西洋でゆ天使がやって来たち思うほぞに可愛らしゅうて仕方んなかほどやった。
おいは母上に似て肌が白かったんじゃが、可愛くて仕方ない弟の肌は父上似て、わっぜ健康的な褐色ん肌で、そいをけね全員で喜ぶ。
父上は長男であっおいが心底惚れちょっが母上に似て顔立ちが整うちょって、肌が白かことを心から喜んじょったじゃっどん、やっぱい少しばかりと寂しい物があったち思う。
可愛くて仕方がなか弟は、それまでも仲ん良かけねではあったばっ、更にけねをまとむっ為にやってきてくれた、やっぱい天使んような存在やった。
そしておいはが一緒に遊ぶっことになれたばっかいん頃に、あっ決断をすっ。
そんた父上がちょうど事業拡大ん為に、帝都にも屋敷を構えようち考えちょっと耳に入れて、おいは外国にあっちゅう英吉利を習うた寄宿学校ちゅう住み込みで学ぼごたっと口にした。
父上はおいが難しかことに挑戦しようちゅう心意気を誉めてはっれたが、物凄く可愛い弟が更に可愛く、腕白になっ時期に離るっことに対してはわっぜ不思議に思うちょっようやった。
そいに弟もきっと寂しがっちゅうとも、当たり前ん様に告げられたんなら、当然おれん心は揺れた。
じゃっどん、おいは弟が可愛らしゅうて仕方がなかでこそ、弟と、そして長男として家ん将来を考えてん進学じゃと、父上に正直ん話す。
ちょうど、時期としては進学に当たって学校を選ぶ時期でもあったで、当時通っちょった学校でん、同期生とはそん話題で盛り上がっちょっ時期で、そん繋がりで寄宿学校ちゅう存在を知った。
日本もこれからは外国んこっも吸収せんとやっていけんのと、どうにも寄宿学校は、最初ん入学試験こそ難しかが、入れたんならそんけねは幾らか入学ん考慮をさるっちゅう話を聞いた。
もしおいがここできばって入学が出来たんなら、将来弟ん入学が幾らかは苦労せんじゃむ。
幼かながらに負けん気ん強か利発な弟(身内贔屓は認むっ)じゃっで、いたらんお世話かもしれん。じゃっどん、合格すっ確率をあぐっことは、決して悪かことじゃなか。
父上もそんた認めてくれて、おいもきばって試験勉強に励んだ甲斐もあって無事に日本ではいめっ創設された寄宿学校に入学できた。
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