夏の夜の夢

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 宙の一角を見ていると流星が見えた。そして、一時間くらいで、いくつもの流星が見られた。こんなにもたくさんの流星が見られるのかと感嘆した。後に知ったのだが、それはペルセウス流星群であった。  そして、生命の起源は流星が深くかかわっているというし、私たちの地球も数十億年の後には死に絶え再び生物もろとも原子に還り、そしてまた星をつくる材料となる。  その時、人間の〝意識〟はどこへいってしまうのであろうか。原子に封じ込めることはできないのか。  流星には、過去の知的生命体のエネルギーは宿っていないのか。  SF小説が好きな私はそんなことを考えていた。  半島の奥の中学校から来た梨香という名の女生徒がいた。言葉少なの控えめで、いつも笑っているような表情をした生徒だ。アルカイック・スマイルとはこういうのかと覚えたての言葉が心に浮かんだ。  彼女と目が合うと、心臓がコトンと音を立てた。  研修の終わる前の夜、浜辺でキャンプファイヤーが行われた。生徒たちは七、八人のグループに分けられ余興をする。昼にアイデアを出し合い夜に間に合わせなければならない。
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