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……いつか、技術が進歩して、正式にタイムトリップができるようになるといいな。そしたらまた坂本さんたちに会いに行きたい。
こっちを見た和真に「やっぱり別の時代の問題も作ってよ。」って言ったら、「そのうちね。」と笑った。その手元のタブレットがほんの少しだけ光ったような気がするけど、気のせいだろうか。
「……あ! もう時間じゃん。和真、行くぞ!」
時計を見ると、クラスメイトたちとサッカーをする約束の時間が迫っていた。
「ほんとだ。おい創太、シューズ忘れてる!」
「ごめん! 持ってきて!」
呆れた顔で二人ぶんのシューズを持った和真と、階段をかけ降りる。
ただそれだけの日常なのに、なんだか楽しい。
今日は日曜日。父さんも母さんも家にいて、おれたちに「行ってらっしゃい」と言った。夜ご飯は四人で外食する約束をしてる。
……おれはきっと、国を作るとか世界を変えるとか、大それたことはできないけど。
明日も、百年後も、ずっとその先も、自分や大切な人たちが笑っていられるような毎日にしたいなって、ぼんやり思ったんだ。
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