3 作戦会議

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とにかく、警察に連絡しちゃう前に父さんと母さんに知らせなきゃ。  って思って立ち上がったけど、ハッとする。 『タブレットの中に別の世界みたいなものがあって、和真はたぶんそこにいるんだ!』  なんて言ったって、信じてもらえるわけがない!  特に母さんはいまパニックになってるから、ふざけないでって怒られるかも。  おれはその世界に実際に行ってきたけど、実際にはケガもしてないし、何の証拠もないもんな。 「あーもう、どうすりゃいいんだよ⁉」  考えてもわからなくて、頭を抱えて叫んだ、そのとき。 〝コンコン〟  部屋の窓ガラスをたたく音がして、そっちを見る。  カーテンを閉めていなかった窓の向こうには、見知った顔が立っていた。 「は、花!」  いそいで窓をあけて、ガラス越しじゃない幼なじみと対面する。  ぎゅっと寄せられた眉間にはシワができていて、どうやら彼女は怒っているようだった。 「創太、さっきから一人で叫んで、なんなの? うるさいんだけど!」  ショートカットの黒髪、おれよりちょっとだけ高い身長、長い手足。  同じ小六の三(み)島(しま)花(はな)は、となりの家に住んでいるおれと和真の幼なじみだ。  もちろん学校も一緒。クラスは別。成績優秀、スポーツも万能。町の剣道クラブに入っていて、どっちかというと女子にモテるタイプ。  スマホを持ってないから誰にも相談できないおれにとって、花の姿は神様のように見えた。 「花、ちょうどよかった、助けてくれ!」 「えっ?」 「とにかくこっち来いって!」  おれが手を引っぱると、花は顔を赤くして手を振りほどいた。
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