1 弟が消えた⁉︎

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画面の真ん中には大きく「GAME START!」の文字。  和真のやつ、ゲームなんかやるのか?  おれは興味本位で、その文字にふれる。するとパッと画面が切りかわって、 『一八六六年、西郷隆盛と木戸孝允に薩長同盟を結ばせた人物は?』  という問題の文章と、その下に答えを書く白いスペースが出てきた。  何年って書いてあるから、歴史の問題かな。まるで社会のテストみたいだ。こういう勉強のゲームなら、和真がやっていてもおかしくないかもな。 苦笑いしていると、コンコンとノックの音がして、部屋のとびらがあいた。 「創太―。お母さん、もう一回近所見てこようと思うんだけど。」 「ああ、おれも行く!」 「そう。家を開けるってお父さんにメッセージ送っておかなきゃ。」  母さんはドタドタと音を立てて階段を降りていく。  問題の答えはわからないし、それどころでもないと思ったから、白いスペースにてきとうにぐちゃぐちゃと線を引いた。 すぐに侍みたいなキャラクターが出てきて、「BAD!」と言う。侍なのに英語かよ? バッドって……悪いってことか? そう思ったしゅんかん、タブレットの画面がまぶしいくらいにピカッと光って。 目の前がぐらっとゆがんだ、気がした。 『ザンネン! 正解を確かめてきてください!』  ロボットがしゃべっているような機械の声で、そう聞こえたと思ったら。 「うわあああっ⁉」  画面に触れていた指先が、ものすごい力で引っぱられていく。 ……なんだ、これ!  おれ、どうなっちゃったんだ⁉︎  白、赤、黄、青……たくさんの色が目の前でチカチカして、思わず目をつぶる。  ぐわん、ぐわん。  ジェットコースターに乗っているような、いや、それよりひどい。  最後に部屋のデジタル時計が見えて、そこには【PM7:25】と書かれていた。
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