7 ラストゲーム

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しばらく走って、誰も追ってきていないことがわかって足を止める。 モジャ男さんも逃げるってことは、新撰組って夜に出歩いただけで追いかけてくるのかな。やっぱり幕末って、怖いところだ。 「あの、土佐までってどのくらいかかるんですか?」 「ん? そうだな……私は慣れているが、きみは子どもだし……まじめに歩き続けて七日から十日というところか。」 「⁉︎」 い、一週間以上歩き続ける⁉︎ つーか四国まで歩いていくしかないのか?  考えられなくて、頭が真っ白になる。  普通に考えて無理だろ、そんなの……。 「どうした、やめるか? そもそも、なんで土佐に行きたいんだ。」 亀さんに聞かれて、ハッとする。  和真の顔が頭に浮かんだ。 「か、家族を探していて……。弟が、そこにいるかもしれないので。」 そうだ、たとえ無理でも行かなくちゃいけない。 足がぼろぼろになって動かなくなったって、おれは土佐で坂本龍馬に会う必要があるんだ。  気合を入れて歩き始めると亀さんは苦笑いして、 「そっちじゃない、こっちだ。」 と言った。
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