8 坂本龍馬という男

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「そっ、それって、だれが正しいの?」 新撰組の人たちは怖いけど、近藤さんは優しかった。それに、あの人たちいつも庭や道場で剣の練習してたんだ。なにか自分たちの「信念」みたいなものがあるんだと思う。 でも坂本さんたちみたいに「新しい日本をつくる」って悪いことなのか? その攘夷派とかいう人たちが新しい日本をつくってくれたおかげで、おれたちが今便利な暮らしをできているような気がする。  新撰組と坂本さん、どっちが正しいのかわからない。  おれの質問に、亀さんは少し考えてから答えた。 「おれは坂本さんの一派だから、坂本さんの考えが正しいと思ってる。でも、みんなそれぞれ『自分が正しい』と思って戦ってるんだ。この国を良くするために。」 言っていることの意味は、わかるようなわからないような。  難しくて頭がパンクしそうだ。おれがバカだから理解できないのかな。 『第一、昔のことなんて学んだって、なんの役にも立たないし。』  和真とのケンカのとき、自分で言った言葉を思い出して後悔する。  坂本さんや新撰組がなんで戦ってるのか、知りたい。  おれは今、はじめて「もっと勉強しておけばよかった」って思った。  とにかく、亀さんは坂本さんのそばにいてあの人のことを守らなくちゃいけない。  坂本さんが命を狙われているということは、和真だって危ない!
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