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2 行き先は、幕末!
タブレットの画面には、変わらず『一八六六年、西郷隆盛と木戸孝允に薩長同盟を結ばせた人物は?』という問題が映し出されている。
そしてその下には、真っ白な解答欄。
さっきは問題の答えがわからなかったから、てきとうにぐちゃぐちゃと線をひいたんだ。
そしたら、画面がピカッと光って、目の前がゆがんで。
気づいたらおれは、知らない世界にいた。
しかもこの格好のまま、靴も履かないで外に寝転んでた。
……夢にしては、靴下で地面を踏んだ感触とか、風の冷たさとかがやけにリアルだった気がするし、なにより意識を失う前と時間が進んでないのがひっかかる。
マンガみたいにループしてるんじゃないかと思ったけど、さすがにありえないよな。
でも。
「……このタブレットが原因したら……。」
おそるおそるタブレットに触れる。和真がいつも使っている、ごく普通のタブレットだ。
学校の授業で使うものよりちょっと性能が良くて、和真は自分でカスタマイズしてて。おれも何度か触らせてもらったことがあるけど、ゲームとかよけいなアプリは入っていなかったと思う。
でもその画面に映っているのは、今まで見たこともないアプリ。
上の方に大きく【BAKUMATU QUEST】って書かれているから、これがタイトルだと思う。バクマツクエスト、って読むんだよな。
「クエスト」っていうのは冒険もののゲームのタイトルでよく見る言葉だ。
「バクマツ」っていうのは、時代のことだっけ……?
聞いたことがあるような気がするけどそのくわしい意味が思い出せない。多分。社会の授業で先生が言っていたよな。だったら歴史っぽい問題が書いてあるのも納得だ。
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