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反対側の道から、青い羽織の人たちが走ってくるのが見えた。
土方さんと……今度は沖田さんの姿も見える。
花が無事でいたのは、新撰組の人たちのおかげだ。心の中でこっそりお礼を言った。
そして、迫りくる大人たちの手をかわして、自分のおでこを指差しながら叫んだ。
「坂本さん! 撃ってください!」
橋の向こうにいた坂本さんは、おれの言葉を聞いて驚いた顔をしている。
子どもをピストルで撃つなんて、さすがに戸惑うよな。でも。
「大丈夫ですから! 信じてください!」
真っ直ぐ目が合う。おれの気持ちが伝わったのか、坂本さんは笑った。
「……友だちの頼みじゃき。歯ぁ食いしばるぜよ!」
ミマワリグミとかいう人たちの刀がおれに向かってくる。
……それより早く、パァンという音が響いた。
意識が真っ暗になる。
また頭の中で『GAME OVER』という声が聞こえた。
あーあ、和真と花はゲームクリアだったけど、おれだけゲームオーバーかぁ。
もしもう一度問題に挑戦することになったとしても、それはそれで悪くない。
……怖かったし、大変だったけど、坂本さんに出会えた。新撰組の人たちが一生懸命だってこともわかった。なんだかんだで、楽しかったな。
歴史を知るのも、悪くないなー……。
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