11 これから

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 * 「……た、創太!」  和真の声が聞こえる。  ぱちっと目を開けると、鼻水と涙でドロドロの和真と、不安そうな顔の花がおれの顔を覗きこんでいた。 「うわっ⁉︎ お前、なに泣いてんだよ⁉︎」  思わず叫ぶと、和真はよけいに泣き出す。 「だって、創太だけこっちに戻ってこれないのかと思った……!」 「いや、たった何分かの違いだろ⁉︎ どうしたんだよ……。」 「びっくりするわよ! すぐに来るって言ったのに、来ないんだもん。何かあったのかと思うじゃない!」  花は怒って、そして和真と同じように泣きはじめる。  おれは「ごめん。」と言って、二人の肩をぽんぽんと叩いた。  いつもの天井、机、花の部屋に繋がる窓。  おれと和真の部屋だ。 「……おれ、創太たちにこんな思いさせてたのか……。」  和真はしょんぼりした様子でうつむいてる。 「そうだよ、誰だって心配になるだろ。」 「うん。ごめん……。」 「わかったらもう、別の時代で生きたいなんて言うなよ。謝んのも終わり!」  和真はメガネをはずして、袖で涙をぬぐう。  その姿がまるで、泣き虫だった幼いころの和真のようで、なんだか懐かしくなった。
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