11 これから

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「……なあ、あっちでも言ったけどさ、おれ、ちゃんと勉強するから。だから和真ももっと遊ぼうぜ。……いっしょに。」  ゲームの対戦でも、外で遊ぶのでも、なんでもいい。  同じことをして、笑い合っていたい。  だってせっかく同じ家に産まれた、たった二人だけの兄弟なんだから。  ケンカしてる時間がもったいないよな。  瞬きをした和真が、ゆっくりとうなずく。 「あんたたちが仲良いと、わたしも嬉しい。」  そう言って花はまた泣いた。  ガタガタ、バタン。  父さんと母さんが帰ってきた。 おれたちの話し声が聞こえたのか、そのまま部屋へあがってくる音が聞こえて、三人で顔を見合わせた。  和真の時間はリセットされてなくて、やっぱり少しの間いなくなってたことになってるみたいだ。 「やべー、どうする? 『江戸時代にトリップしてました』って言って、信じてもらえると思う?」 「……ムリだと思う。家出してたって言って、とにかく謝るよ。半分くらいはウソじゃないし。」 「たしかに。よし、おれもとりあえず謝る。いっしょに怒られようぜ。」 「えっ、わたしは⁉︎」 「花もグル!」 部屋に入ってきた母さんは、和真の顔を見るなりドバッと泣いて、なぜだかおれと和真をいっぺんに抱きしめた。  その力は苦しいくらいだったけど、ちっともイヤじゃない。
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