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「よかった。よかった……。」
その後ろで、父さんがホッとしたように胸を撫で下ろしてる。それからおれと和真の頭を撫でた。
……おれも和真も、ものすごく愛されてる。
それがどんなに幸せなことか、おれは知った。
「怒らないの?」と聞いた和真に、母さんは、
「なんでもなかったなら、それでいい。」
と言ったんだ。
*
……数日後。
「えー、弥生、コフン、アスカ……奈良、平安、カマクラ、ナンボクチョー……江戸?」
「違う! 南北朝時代の次は戦国、そして安土桃山、そのあとが江戸。」
「あー! 覚えらんねー。」
「大丈夫だって。ほら、もう一回!」
精いっぱい机に向かうおれの横で、和真が教科書を指さす。
勉強を教えてくれるのはありがたいけど、こいつ、スパルタだ。
……まぁ、それでもカンタンには諦めないけど。せめて、せっかく興味を持った日本史くらいは頑張りたい。
「弥生、コフン、アスカ、奈良、平安、カマクラ、ナンボクチョー、……室町。……戦国、安土桃山、江戸!」
「当たり!」
なんとかようやく覚えられて、二人でハイタッチ。
おれたちが行った江戸時代になるまでも、たくさんの時代やできごとがあったんだな。戦国時代とかもちょっとおもしろそうかも。
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