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卒業してすぐ母と暮らしていた家を出て働き始めた。
何かと電話をかけてくるし、なんかあったら言いなさい、戻ってきなさい、とも言ってくるが、うんうん、と返事してすぐ切ってしまう。
お金をためても、たぶんたいして助けてあげられないだろうけれど。
以前、母に、あなたみたいに逃げたくない、と言ったら、めちゃくちゃ怒られて泣かれた。
久しぶりに休日に外へ出た。いつも部屋で休んでばかりいたのだ。
買い出しも兼ねてショッピングモールに出かけ、インコ用に何かあるかとペットショップを覗いた。
入口に張り紙が数枚あり、迷子になった犬や猫、そのほかのペットを探しているようだった。その中の一枚に、
『探しています 黄色と緑のセキセイインコ 名前は アメリ
アメリ、凛ちゃん、と喋ります』
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